EGUCHI RI ROASTERY

デリーモ ショコラティエシェフ
江口焙煎処
スイーツと真剣に向き合っていたら、
最高の珈琲
出来ちゃいました。
インドネシアで偶然見つけた最高品種の果実。
とっても色鮮やかで美味しそうな見た目の果実ですが、これはコーヒーの実。コーヒーノキから採れる果実で、サクランボに似ているためコーヒーチェリーとも呼ばれています。この果実の種の部分がコーヒー生豆となり、それを焙煎することで見慣れた茶色いコーヒー豆となるのです。
コーヒーはもともと果実なので、フルーツのテイストを持っているんです。
この最高品種の果実を見つけるまでのストーリーを語る上で、幸せを運ぶ鳥の話を避けて通るわけにはいきません。その鳥の名前は、バリ・ジャラク(Bali Jalak,Leucopsar rothschildi)バリ島固有種の野鳥で、姿がとても美しい為にペット用として乱獲され激減、現在も棲息環境の悪化に伴って、野生に生息されている個体は少なく、絶滅危惧種となっています。
この野鳥の生体を守るため、環境保護団体が立ち上がり、一部生息地の農園では殺虫剤や農薬、化学肥料など一切の使用が禁止されました。
元々この地域(バリ島キンタマーニ地区)は貧困のため農薬などの購入が困難で、使用はされていなかったため動植物や大地、それに人々にとっても環境の良い楽園となっています。
環境保護の一環として訪れた山奥の農園で偶然見つけた真っ赤に熟れた小さな果実。
これがコーヒーになるとは、実はこの時初めて知りました。
最高のフルーツを探しに、全国各地のフルーツ農園へ足を運んでいたので、この赤い完熟の果実が真っ先に気になり、一粒食べてみました。

コーヒーの果実の味ってどんな味か知っていますか?
「ほんのり甘くて、ちょっぴり酸っぱい。」
これが初めて食べた時の感想です。
後から知った事ですが、抗酸化成分が多く注目されているアサイーよりも15倍も抗酸化力があるそうで、スーパーフルーツとしても世界で注目されているそうです。
そんなスーパーフルーツでも、果実としてメジャーにならないのは、その果肉の少なさにあります。
果実の中身はほとんどが種。この種がみなさんご存知のコーヒー豆です。

自然リサイクル農法 バリ島手摘みの完熟コーヒー
幸せの鳥が出逢わせてくれたこの果実。実はアラビカ種の原種でした。
アラビカ種?原種?となりますよね。僕もそうでした。
そこで調べてみると、アフリカのエチオピアが原産と言われるアラビカ種は他の品種に比べて風味と味わいに優れると言われ、生産量はコーヒー生産量の6割にもなります。
しかし、病気に弱く、収穫量が少ないため、栽培が難しく育てるのに手間がかかり、品種改良が盛んな品種です。
コーヒー豆を販売しているお店が扱っているのはほとんどこちらの品種だと言えるでしょう。
世界中を探しても品種改良されていない原種は、ほぼ存在していません。
まさに、幸せの鳥バリジャラクが運んでくれた奇跡の出会いでした。
コーヒーのことは詳しくはないですが、直感でデリーモのスイーツとの相性の良い最高のコーヒー
ができると思いました。
自然リサイクル農法とは?
化学肥料、化学殺虫剤を使用せず、コーヒーチェリーの皮や果肉を発酵させて堆肥にしています。コーヒー農園内には背の高いカカオやバナナの木を植えて日陰を作り、コーヒーの木を日焼けから守って豊かな香りと味わいを育んでいます。こうしたシェードツリーを植えることで、耕作面積は狭まりますが、自然には優しい栽培方法となっています。


パティシエ、ショコラティエ流の珈琲焙煎
僕はバリスタではないので、
パティシエとショコラティエという立場から、
実際自分の創り出すスイーツに、この奇跡のコーヒー豆をどのくらい焙煎すると双方を引き立てることができるか幾度となく焙煎・試飲を繰り返し実験しました。




あのフルーツとして食した時の感覚。あの味がこの豆が持つ最高の風味だと考え、それに少しでも近い味わいを引き出す。
焙煎しては、丁寧に挽き、ワインのように香りを確かめ、少量口に含んでは、ショコラやスイーツとのマリアージュの余韻までを想像する。
そして完成した、マイルドな甘味に雑味のない程よい酸味。
大丸東京店のオープニングに相応しい至高の一杯を沢山の方々に味わって頂きたくドリップパックにしました。
是非ショコラやスイーツとのマリアージュを楽しんで頂ければ幸いです。
